短波放送とDX

ボリビアのラジオのニュースから始めます。 ジャニン・アニェス前政権下没収され行方が分からなかった2局の先住民族ラジオの機材が首都サンタ・クルス市で見つかり、ホアン・ホセ・アラマーヨ先住民族ラジオ・ダイレクターの手元に戻りました。機材は国営ラジオの倉庫に放り込まれたままでました。 続いてご紹介するのは昨年放送されたボリビアのラジオドラマ、“カリカント”についてです。全国の15のラジオ局より放送されました。     全編21話で、ニューヨークに拠点を持つPCIメディアの“エスターモス・ア・ティエンポ”プロジェクトにより制作され、現地ボリビアの技術陣と俳優陣、アーティスト・グループが出演しています。テーマは未成年の妊娠となっています。コチャバンバのCEPJA, Kanchaparlaspa, 高地のAltipiriとスクレの Loyola、以上のラジオでお聞きになれます。 ”カリカント”の舞台となるのは同名の町の学校で、4人の少年少女が主人公です。急増している未成年の妊娠に警鐘を鳴らし、社会に注意を促す目的で作られました。地道な調査や検証も行われました。Saraの役にStephany Ardaya, Jonasの役に Santiago Noya, Jessicaとして María José Bolívar、Leoとして Felipe Pan Kaiが出演しています。4人に共通しているのは音楽で、“Rebelión Flow”というバンドを結成します。思春期の愛の目覚め、家族との葛藤、大人への反抗、将来の夢などが描かれます。 音楽がメインの1つで、そのためにバラエティ−に富んだジャンルのオリジナル・サウンドトラックがつくられ、出演メンバー自身が歌いました。 ”カリカント”は俳優、監督、劇作家の Alejandro […]

ラエ、世界に向けてアルゼンチン

新型コロナウィルス感染症、世界を変えたパンデミック 今週よりアルゼンチン全国の医療機関で馬の血漿抗体による新型コロナウィルス感染症の治療が行われます。     新型コロナウィルス感染症による死亡率を下げ、症状の激化を抑える効能が証明され、昨年末、12月22日 アルゼンチン医薬品食品医療技術局ANMATより許可が下りました。 第2段階臨床試験では全国の19の医療機関で242人が採用され治験に臨みました。第3フェーズよりも人数・治療規模は小さいものです。 回復患者の血清と比べると馬の血漿抗体は200倍も免疫抗体を含んでいることが明らかになり、ハイパー抗体と呼ばれます。重症患者死亡率もほぼ半分、45%減少となりまし た。プラシーボを受けた重症患者のうち12人が亡くなり、馬の血漿抗体を受けた重症患者のうち、6人が死亡しています。 また馬の血漿抗体を受けた患者はプラシーボを受けた患者と比較すると、集中治療を受ける確率が24%減少しています。 1月10日現在、アルゼンチンでの新型コロナウィルス感染症陽性人数は1.722.217人で、昨年の4月国内で初めての患者が確認されて以降、44.495人の死亡者数が記録されています。

アルゼンチン国会上院で行われた火曜日に始まった、長時間に及んだ“マラソン”審議会を経て、一晩中議論が尽くされた後、この水曜日の早朝、4時UTC時間7時、人工妊娠中絶を非犯罪化する法令が成立しました。そして妊娠、出産、育児の期間をカバーする社会保障手当“1000日プラン”法令も成立しました。 妊娠14週まで人工妊娠中絶を容認する“Si”(yes)派は賛成38票、反対29票、棄権1票で法令成立を成し遂げました。これまで99年という長い年月の間、人工妊娠中絶を受けた女性には刑法により懲役4年の実刑が言い渡されていました。強姦の被害にあった場合、または母体の健康状態が危険にある時、例外として人工中絶手術は容認されています。

アルゼンチンの医療史上最大のワクチン接種作戦

アルゼンチンの医療史上最大のワクチン接種作戦 新型コロナウィルスCOVID感染症予防ワクチン接種プランが展開されます    

ラエ世界に向けてアルゼンチン日本語番組

ラエ世界に向けてアルゼンチン日本語番組 キャスターの植田敬子です。 新型コロナウィールスの世界的感染 パンデミックで色々大変ですが 皆さま お元気ですか? ホームメード ラエ 第40弾お伝えします。 アルゼンチンでは3月19日より外出禁止令が出され、現在に至っています。 外出禁止となってから、必要最小限な買い物だけが許されていました。 医療や食料品販売・製造、出前サービス、廃棄物回収など緊急時に最小限必要とされるサービスが国を支えて、毎日の生活が可能になっていました。現在では大分緩和されています。 私達ラエのスタッフも全員在宅ワークとなっており、アルゼンチンでのコロナ禍について、ラエのウェブサイト www.rae.com.arに掲載されています。そして特別番組やトピックニュースもウェブサイトで更新しています。 4月6日より新しい放送スケジュールとなり、短波放送日本語番組は 月曜日から金曜日 UTC時間8時から9時まで 周波数5950KHz 出力 100キロワット、北米西部、及びアジアへ向けて マイアミの オキチョビの送信機より 放送となっています。ラエ短波放送のスケジュールもウェブサイトでチェックできます。 ユーチューブYOUTUBEでもラエのチャンネルが開設され、コンテンツがアップロードされます。Canal RAE Argentina と検索バーに入力してください。 […]

アルゼンチンではサッカーは通常の情熱を超えるパッションを呼び起こすことは皆様もう御存知かと思います。大衆音楽は先日亡くなったディエゴ・アルマンド・マラドーナさんに数多くの曲を捧げました。 現世の神様として崇められていたマラドーナさんは最高峰を極めると同時に地獄の底を這いずり回り、ある意味でアルゼンチンの現状を体現しているといえましょう:矛盾に溢れ、傲慢で、ときに英雄的でそして愛国心、一国に属するということを全身で訴え続けた人生でした。サッカーの神様という点だけ、反対派も賛成派も一つに纏まりました。 ディエゴ・アルマンド・マラドーナさんに捧げられた全ての曲から今日ご紹介するのは、次の3曲です: 1. 私のハートに喜びを (アーティスト:フィト・パエス)アルゼンチンがサッカー・ワールドカップ2度目の優勝をきめた1986年のメキシコ大会で、対イングランド戦でマラドーナさんが放った2点目のゴール・シュートの美しさを讃えて作られた別名・アルゼンチンサッカー讃歌と言われています。当時アルゼンチンは物価急上昇・ハイパーインフレの状況から抜け出そうともがいていた時で、たったその1年前、70年代から80年代初頭まで続いていた軍事政権下犯された人類虐殺犯罪の裁判が行われたばかりでした。 2. マラドーナ (アーティスト:アンドレス・カラマロ)アルゼンチンロックを代表するアーティストのカラマロさんは世界のサッカースーパースター、ディエゴ・アルマンド・マラドーナさんの素晴らしさを歌った曲です。”マラドーナは只者ではない”( “Maradona no es una persona cualquiera….” )という一節に要約されます。 3. 神様のハンド (アーティスト:ロドリーゴ)アルゼンチン中央部に位置するコルドバ州独自のミュージックジャンル、クアルテトのリズムで、マラドーナ自身が一番自分に合っているといった曲です。彼の生い立ちを語る曲で、2006年でテレビで放送された、マラドーナさんの番組 “背番号10の夜” (La Noche del Diez)で自身がマイクを握り熱唱した曲です。 制作:シルバーナ・アベジャネ ー フリアン・コルテス

Patagonia Rebelde (パタゴニアの反乱)より100周年を迎えて語る今 懇談会

1人のサンタ・フェ州の典型的な白人の容貌をした男(グリンゴ)が、アルゼンチン・パタゴニア地域での移民、先住民族や現地人の農民達の労働状況の向上のため立ち上がった農民一揆に光をあてました。アルゼンチンの首都・ブエノスアイレス市より、遠く南に2.200キロ離れたパタゴニア地域の一角、現在のサンタ・}クルス州で 外国人の大地主に対し、ほぼ奴隷制度に置かれていた農民達は労働状況の向上を求め、抗議し、その結果、1.500人もの農民たちが射殺された事件です。 アルゼンチンのジャーナリストで歴史研究家のオスバルド・バイェール氏(1927年−2018年)はその生涯の大半をこの虐殺事件解明のための調査に捧げました。その全貌を表したのが バイェール氏渾身の著作 “悲劇のパタゴニアの復讐者”で、後に“パタゴニアの反乱”として映画化されました。アルゼンチン映画の歴史上アイコンとして、今でも語り継がれています。 大地主による搾取に反旗を翻す出来事として最初、始まりました。1920年末より、反対運動は高まり始め、1921年、当時の急進党のイポリト・イリゴージェン大統領により送り込まれたエクトル・ベニグノ・バレーラ中尉が指揮を採った銃殺刑が施行され、農民虐殺で終焉を迎えます。 20世紀におけるアルゼンチン国家が犯した最初の犯罪の1つとされています。この事件に関して、様々な調査、様々な報告がなされてきましたが、当時のイリゴージェン政権や大地主の責任については寛容な視線が注がれていました。 この事件解明のため調査に奮闘したバイェール氏はTripleAというペロニズム右派の武装組織より脅迫などの迫害をうけ、身の危険を感じたバイェール氏は家族とともにドイツに亡命します。1976年の軍事クーデター前のことでした。 パタゴニアの反乱より100周年を迎え、アルゼンチンの海外向け放送局、ラエ、世界に向けてアルゼンチンは、アルゼンチンだけではなく、欧州の国々をも巻き込む 数多くの農民が犠牲となった銃殺事件の原点となるこの史実について、慰霊と事実解明の意味を込めて、語り合う、懇談会を開催します。 12月1日(火)アルゼンチン時間午前11時、UTC時間14時より、ユーチューブの Canal de Youtube Rae-Argentina al Mundoで以下のゲストを招いて懇談会を行います。(敬称略)誰でも無料で参加できます。 ・アナ・マリーア・カレガ − 心理学者、ラテンアメリカ圏人権問題識者 ・ディアナ・レントン − 人類学者、人類虐殺・先住民族政策研究ネットワーク創設者、著作“アルゼンチンの惨殺の歴史”バイェール氏と共著 ・ベイヌス・スムックレル −人権問題専門弁護士、アルゼンチン法曹委員会元メンバー、米州法曹協会代表、マルティネスデオス一族がバイェール氏に対して訴訟を起こした際の被告人バイェール氏側弁護士 ・カルロス・コベロ − サンタ・クルス州 ストライク事件風化防止委員会、及びパタゴニア・ストライク事件委員会創設者・識者 ・ブルーノ・ナポリ −歴史研究家、バイェール氏創設・機関紙ラチスパ(エスケル市で1958年から59年まで刊行)収集家 ・エステーバン・バイェール − ジャーナリスト、ドイツ・ハンブルグ在住の作家 Conversatorio “Osvaldo Bayer y la dignidad […]

サッカー界のスーパースター、ディエゴ・アルマンド・マラドーナさん療養先のブエノスアイレス州のノルデルタ高級住宅街の一角で 亡くなりました。去る10月30日60歳の誕生日を迎えたばかりでした。 11月3日硬膜下血腫の手術を受け、手術自体は大成功で、術後は良好でした 今日、朝食をとった後、気分が悪いとベッドに戻り、体調は急激に悪化し、アルゼンチン時間正午(UTC時間15時)療養先の邸宅に、救急車数台が到着し、心肺蘇生が試みられますが、何もなすすべはなく、マラドーナさんはこの世を去りました。 硬膜下血腫で手術をうけ、術後は良好、順調に回復していると報道が行われていたので、逝去のニュースは青天の霹靂でした。 マラドーナさんはそのサッカースタイルの美しさとリーダーシップでピッチ上から世代を超えて世界中を魅惑しました。 私生活も激しく、沢山の物議を醸しだしました。マラドーナさん大好き派・アンチマラドーナ派、無関心ではいられない、何をしても注目を浴びていました。世界で最も有名なアルゼンチン人と言われています。 マラドーナさん逝去のニュースをうけ、アルベルト・フェルナンデス大統領は 全国3日間の服喪期間を発表しました。期間中半旗掲揚となります。

アルゼンチン人ギタリスト ホアン・ファルさんが立ち上げた 世界ギターフェスティバルが11月22日まで開かれます。     ラエ世界に向けてアルゼンチンは ホアン・ファルさんと懇談し、世界で蔓延する新型コロナウィルスにより、本年度のギターフェスティバルには海外よりの20人、そして国内の72人のギタリスト達がオンラインで参加すると語って下さいました。アルゼンチンのすべての州よりエントリーがあり、フェスティバルのショーと全ての曲目はアルゼンチン文化省のYoutubeとFacebookのサイトで観覧が可能になります。 アルゼンチン文化省のウェブサイト www.cultura.gob.arで世界ギターフェスティバルについての情報にいつでもアクセスが可能になっています。 日本語訳・ナレーション:植田敬子 制作・ウェブサイト:フリアン・コルテス

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